昨年に引き続き、メディカルクリエーションふくしま2020において、
【薬事戦略セミナー「いまさら聞けない医薬品医療機器等法の基本 ~医療業界から求められ、信頼される企業となるために~」主催:一般財団法人ふくしま医療機器産業推進機構】
の解説の機会を得た。
本セミナーは以下の3つから構成したが、
○医療機器とは何か?
○医療機器の業態等基礎の確認
○製造業と製造販売業の違い
時間の都合上、触れることができなかった要点(製造業から製販業に参入する上でのハードル)についてまとめたい。
製造業から製販業に参入する上での壁は、
①QMSの拡充(ISO9001⇒ISO13485(QMS省令、GVP省令))
②顧客ニーズの顕在化と機器の有効性/安全性の検証、及び妥当性確認
と捉えている。
まず前者①に関しては、いくつかの壁があるのだが、特筆したいのは、プロセスとプロセスのトレーサビリティの頑健性である。
ISO9001認証企業では、一定基準のQMSが確立されているため、ISO13485の認証を容易に考えがちだが、実は、そのトレーサビリティの確立には、不足事項が多々転がっている。
ISO13485(医療機器)のトレーサビリティは、市販後の監視に基づく、医療機器の有効性/安全性の妥当性の振り返りが目的の一つであるが、万が一、市場で問題が発生した場合の迅速な要因特定も同様である。
よって、顧客ニーズ→製品企画→仕様書・図面案→検証→妥当性確認→仕様書・図面、確定の各プロセスのインプット/アウトプットは、芋づる式に繋げる必要がある。
一般的には、「トレーサビリティマトリスク」を使ってトレーサビリティを確立する。
後者②は、顧客ニーズを受けたのち、そのニーズを達成する機能を定性的にも定量的にも企画するが、その際に、実使用場面でのリスクを分析し、評価し、そのリスク管理の方法を定義する必要がある。これは、ISO13485で明確に要求され、リスクマネジメント(ISO14971)として、設計開発プロセスに組み込む必要がある。
このリスクマネジメントは、製造業として部品供給を主業としていたメーカーでは、一つの壁になる。
これまで、製販業(システムメーカー)から、詳細な仕様・図面が提供され、部品加工に対する検証のみで成立していたものが、医療現場での使い勝手、リスクを想定し、マネジメントするという医療機器の誕生から終焉までのライフサイクルを想定する必要があるからだ。
製造業から製販業を目指す企業は、医療機器製造販売に正しい知識・経験を持つ信頼できる支援者を持つ必要もあるのだ。