経営の課題
management

コスト削減より大事なこと

企業支援には、405事業や信用保証協会専門家派遣など国の補助金を利用した支援スキームが多くある。

それら支援のトリガーとなるのは、決算書に基づく経営成績だ。PL上の3期連続営業赤字であったり、BS上の債務超過であったり、財務指標悪化の原因を探る診断(財務DD)からスタートする。

製造業の場合、コスト削減が重大なテーマとなり、二大経費である「人件費」「減価償却費」の対売上高占有率が焦点となり、稼働率や生産効率性を改善していくのだが、中小企業の場合、無理に利益を確保しようとして、重要な人的資源を削り落としているケースが少なくない。

決算書の表面上、人件費の削減は最も即効性のある収益拡大策となるのだが、その企業の将来を左右する「難加工技術」「生産管理」「工程管理」「品質管理」を担う人材が確保できない、又は充分な工数を割くことができない状況にも追い込む。

特に中小企業の場合、顧客企業が生産技術まで提供し、効率的生産性のみを求める場合を除き、難加工技術確立の成否がその企業の将来売上を左右する。

極論を言うと、困難な加工ができない企業=世の中に必要のない企業、となり易い。

そして困難な加工技術は、それに対する相応の人材と工数が必要となる。

目先のコスト削減を優先し、困難な加工に挑戦できない企業環境を作りあげてしまうことは、将来の売上と収益の低下をもたらし、世の中から淘汰される運命となる。

細かな経費管理は重要であるが、製造業の本質を確立するための経費まで削り落とすることはあってはならない。