経営の課題
management

地方に研究開発拠点が置かれにくい理由

自身がコーディネーターを務める「よろず支援拠点」で事例報告会があり、多数の支援機関の皆様に出席を頂いた。
タイトルは、「中小・小規模事業者の原価占有の下げ方と戦略の方向性」で講演させて頂いたのだが、今回のこの議題ではなく、地方における研究開発拠点の少なさについて、掘り下げたい。

事例報告会に一般社団法人福島県発明協会から1名ご参画頂いたのだが、講演終了後、「知財戦略」、「地方における研究開発拠点の少なさ」について、ディスカッションする時間があった。

特許出願数と研究機関数、及び企業規模(大企業からの出願が9割)には相関があり、研究機関数の少ない地方においては、特許出願も比例して少ない傾向ということである。
これらの事実と原因に特異な要素はなく、当然の結果であろう。

少し掘り下げたいのは、地方に研究開発拠点が設置されない原因である。
表層的には、その地域における「大学を含む学術機関数」、「研究者数」などが研究開発拠点の設置の有無に直接的に関与するパラメータであると考えられるが、より底流に流れているのは、日本独特の文化であると考えている(持論である)。

日本(アジア)の場合、農耕文化が底流に流れており、集団化が個々の利益に繋がるという発想が根底に潜む。
よって、より人口の多い地域にシンクタンクが集積する傾向があるかと考えている。

欧米の場合、金融に関する組織は都心部に集中し易いものの、研究開発部門は、ローカルに拠点を置くことに抵抗がない。
これは、都会の雑踏を離れ、自然の中でこそ、自由闊達なアイデアと研究ができることを”是”と考える発想があるのやもと考えられるのだ。

ITの進展により、距離的ハンデを克服し、研究開発拠点の地方への分散が拡がるかと考えていたが、日本における現実はまだまだ難しそうだ。

今後の日本の産業構造と人間の幸福感を見た場合、都心部と地方の財的、文化的バランスは、
お互いに綱引きができるくらいのボリュームを維持することが必要だと思うのだが・・・