経営の課題
management

第1回 産業標準化連絡会議

過日(12月18日)、福島市にて「第1回産業標準化連絡会議」が開催され、自身もボードメンバーとして参画させて頂いた。
この会議の趣旨は、新規設計要素や新規技術の特許化を図りながら、その特許技術を標準化し、国内企業の技術開発競争力を高めるための課題探索が主題となる。

今後、経済産業省及び東北経済産業局が母体となり、福島大学、福島医大、会津大などの学からの視点、更には弁理士、弁護士、中小企業診断士などの産としての現場感覚を交えながら、三位一体となったディスカッションが繰り広げられることになる。

この「産業標準化連絡会議」は国内で初の試みとなり、福島県がその発祥の地となるが、福島県が選定された理由は、震災からの復興への後押しと、原発の廃炉技術開発等のロボティクス技術などが当県で確立される可能性があるためだ。

初回の会議でもあり、当方に発言の機会はなかったが、標準化に関する課題を経済活性化の視点から切ってみる。

そもそも標準化とは、商品・サービスの質的特性を基準以上に安定させるための要素と仕組みの規格化である。
よって、標準化の本質は商品・サービスの受益者視点で確立されるのが筋であるが、その範囲、深度、難度は、標準化の制定をリードする国によって、自国優位の規格化が意図されることがある。
自国優位性、あるいは特定のメーカーの優位性を確立できれば、その商品・サービスの質的特性を担保できるので、その技術実現性は必然的に自国、または特定にメーカーに限定される。

「いや待て!特許・標準化によって、その技術は解放され、公平な立場で自由競争が生まれるはずだ。」と考えることもできそうだが、現代において特許・標準化される技術は、複合的なパラメータで構成され、そのアウトプットはそれらパラメータの相互作用にも左右される。
自身の専門とする既に確立された医療機器の製品規格である各種ISO/IEC規格でも、その要求事項に適合させるため、相当なコストと労力を費やしているのが現状だ。

よって、既に一般化している技術、標準、規格に関しては、参入障壁が低く、複数企業による自由競争が生まれ、商品・サービスのコスト低下による消費者優位の構造が成立するが、新規要素に囲まれた技術、標準、規格に関しては、むしろ参入障壁としての効果が強くなる。

よって、標準化は、その技術難易度、新規性などの因子によって、参入障壁を下げるし、または参入障壁を高めることもなるのだ。

よって、市場をドメスティックで見るのか?グローバルで見るのか?によって標準化戦略の位置づけは変化させる必要がある。
市場をドメスティックで見れば、標準化によって参入障壁を低くし、多くの中小企業に参画させるし、市場をグローバルで見れば、標準化によって参入障壁を高くし、日本企業の技術的優位性を一定期間担保する志向に向かうべきだ。

私は日本人だし、どこまで行っても日本を応援したい。
マイクロソフトやアップルのようにグローバルに確固たる地位を築き上げれば、その企業と国には膨大な経済的ご利益をもたらす。
日本が得意とする分野を選定しながらのシーズ志向と将来需要のニーズ志向を適切に分析、探索、認識しながら、寡黙なまでにがんばり続ける日本人が経済的に満たされるよう、自身を含めた委員会ボードメンバーは真摯にディスカッションを重ねなければならないのだ。