経営の課題
management

KKDは悪なのか?

企業経営している者ならば、「KKD」という言葉を聞いたことがあるだろう。
K;勘、K;コツ、D;度胸、である。
これは、企業経営を企てる上で、悪!と言われているのが一般的な解釈だ。
私自身もサラリーマン時代を通じ、コンサルタントとして駆け出しの時期は、「KKDは百害あって一利なし」と力説していた覚えがある。
しかし、自身で経営を始め、日々発生する多様な事象を捉え、対処していく中で、KKDは本当に悪なのだろうか?と疑問を持ち始めている。

我々コンサルタント(中小企業診断士)の主業務の一つにクライアント先の「経営改善計画策定」という業務がある。クライアント企業の「外部環境(市場、顧客、競合)」「内部資源(人、モノ、金)」の強み、弱みを洗い出し、経営ビジョン、基本戦略と共に、計数的売上高と収益を予想するのだ。
しかし、計数的売上高と収益の予測には限界がある。いかに精度よく「外部環境」「内部資源」を顕在化しようとも、「外部環境」は動き、「内部資源」も時々刻々と変化するのだ。

AIなどによって、売上と収益を変化させる「外部環境」と「内部資源」を今後の将来の変化も含め100%の精度をもって予測できるのであれば話は別だが、そもそも、100%予測させるAIなど現時点は存在しないだろう。
そこには、これまでの経験によるK;勘、K;コツ、D;度胸をどうしても介在させる必要があるのだ。
KKDを全否定するつもりは無いが、紙一重の判断に迷う事象に遭遇した場合、どうしても決定者のKKDが最後の砦となる。
データ分析で明らかになるのは、良くてせいぜい60%~70%である(と思っている)。のこりの30%~40%は、KKDを研ぎ澄ませ、自身の決定と実行と、及びその結果を検証しながら、船の方向を定めている企業が伸びている企業なのかも知れない。

(これはまさしく、ISO9001で言及している「測定、分析及び改善」と「経営者の責任(マネジメントレビュー)」の本体である)

自身も含め企業経営者は、恐らく、KKDを研ぎ澄ませることを怠ってはいけないのだ。