経営の課題
management

生産性効率化の機序

生産性効率化を支援するコンサルタントは、メーカー出身者が多い。その殆どは、現場で実践を積んできた方ばかりで、自己の経験に基づく成功体験が根底にある。
生産計画から切り込む者、5Sから切り込む者、品質改善から切り込む者、改善の出発点は違えど、改善が進行していくプロセスを過去の現場で体験しているので、自信を持って進行を見守ることができ、どれも間違いではない。
ただ、生産性効率化の機序はある程度体系化されつつあり、現時点での効率的な機序は以下と言われている。(種々の考え方はある)
① 安全の確保(事故が起これば、全ての生産活動は止まる)
② 5S活動(探す、迷う、ムダに歩くなどの網羅的除去)
③ 品質改善・歩留まり向上(再加工、手直し、材料廃棄の除去)
④ IE的生産効率化(作業動線短縮、微作動効率化など)

そもそも、5S活動なしに現場内で「探す」、「迷う」などのバグを取り除かない状態では、生産性を効率化しても、その効果は限定的というわけだ。
また、不適合品が出ている限り、変動費である「材料」、固定費である「人件費」は追加的に発生する。
「安全」、「5S」、「品質」、「生産性」の機序をシーケンシャルに倒していくのが、実は最も効率的な生産性効率化である。(現場の状況によってはそうでないケースもあることに注意)

但し、「安全」、「5S」、「品質」、「生産性」の前に必ず実施しなければならない事がある。
それは、「従業者自身の改善への合意形成」である。
「従業者自身の改善への合意形成」を曖昧にしたまま、改善活動をスタートし、改善活動が定着せず、失敗に終わる事例は数多い。
生産性効率化は、製造現場に“改善の変化”を与えなければ定量的効果は発現しない。そして、製造現場に変化を与えるのは、人(従業者)なのである。どれほど合理的、且つ綿密な改善計画を立てようとも、人(従業者)が動いてようやく、「安全」、「5S」、「品質」、「生産性」の活動が前進する。

生産性効率化活動で最悪なパターンが、「私、言う人。あなた、やる人。」といった推進者層と実行者層の心理的乖離と齟齬である。

次回は、人(従業者)が改善に前向きに取り組み始める要素を整理してみたい。